考察キッチン

KOUSATSU-KITCHEN

【吸死考】ドラルクが「荒い」と言ったロナルドの運転?

今回、ロナルドの運転に関するマロ*1をもらったので、その返信を含め、ロナルドの運転に関して情報と個人的解釈を整理します。

【※ネタバレ注意!漫画『吸血鬼すぐ死ぬ』(著:盆ノ木至)単行本収録分/公式ファンブック1・2/作者Twitter発信情報】

マロ本文

考察とても楽しく読ませていただいております。

ところでグッマザ回とFB2と盆ノ木先生のツイートを踏まえて気になる点があります。FB2でロ君の運転を「荒いんだよ」と評したドさんに対して、先生は「若造は運転ちゃんとしています」とのツイート。この差はどこから来たのでしょうか。ちゃんとしているのに荒い運転…早く帰りたかったのでしょうか? ざらめさんはどう思われますか?
https://marshmallow-qa.com/

マロありがとうございます!

なるほど。
マロ主さんは「ひとつの出来事について真逆の情報がある」ということで、どう解釈するか悩んでいらっしゃるんですね。

確かに、そう言われると「解釈が混乱しやすい罠」がココにはあるようです。

それは「事実」と「セリフ」の関係です。

セリフは「キャラクター個人の視点」

マロ主さんも、ご質問の書き方からして意識されていると思うのですが……。

キャラクターの言葉

実際事実としてどうだったのか

はそのままイコールでは繋げないのですよね。

(だからこそ、盆ノ木先生と食い違うドラルクの評から「実際どうだったのか」をどう解釈しようか迷っている、という状況だと思います)


話の順序に必要なので一応、根本的な部分から説明します

何故「"セリフ=事実"とは限らない」のか……。
それは、キャラクター1人が「そう感じている」「そう言っている」だけだからです。

キャラクター個人が「そう主張している」、それだけ……。


推理モノだとコレを利用して、何人かに「あの人怪しいよ!」みたいな情報を言ってもらったりして、読者の思考を誘導します。

その場合、「何人かに怪しいと言われている」のは事実ですけど、その「怪しい人」が事件の犯人かどうかは確定しません

ミスリードかもしれないし、「ミスリードかも?」と思わせるミスリードかもしれません。


この「セリフは事実とは限らない」というのは、普段作品を読んでいる間はそこまで意識する必要はないと思っています。

「思考を素直に誘導される」のも、読者の嗜みですので……。

ですが、わざわざ「矛盾した複数の情報があるぞ」という場合は、意識して視点整理すると解釈しやすくなりますね。

今回の場合は「ロナルドくんの運転」に関して
ドラルクの評

盆ノ木先生の補足
真逆のことを発しているので……。

ここはまず、「ドラルクの評」がどれだけ信頼に値するのか、から考えていったほうが良さそうです。

ドラルクの評

FB2のロナルドくんの運転に関する記述(ドラルク評)は以下です。

・ロナルドさんが運転する車に乗ったことがあるそうですが、乗り心地は?
荒いんだよ、あいつの運転!集中力なさそうだからドラちゃんヒヤヒヤしどおしであった。シートベルトって死ぬととれちゃうから不便だよね。

━吸血鬼すぐ死ぬ公式ファンブック週刊バンパイアハンター特別創刊号2

ご存知ない方もこの記事を読んでいるかもしれないので付け加えておくと、この内容は、12巻のアカジャ(アカウントジャック)のツイートが元になっています。

FB2だけだとちょっと掴みづらいですが、そもそもが、145死の誘拐騒動の直後に車で帰った時の感想なんですね。ここは共有しておきましょう。

では、この感想が「どれだけ信頼できるか」を考えていきます。

1つ目のポイントは、「運転を評価するだけの基準をドラルクが持っているのか」?ですね。

例えば「車の運転についてかなり知識がある」とか、
「荒くない、乗り心地の良い運転がどんなものか経験している」とか。

はたしてドラルクには、車の運転に関する「知識や経験」があるのか……?

知識や経験。知識や経験……?
……

な、なくないか…………?

車に乗る機会

要は、「ロナルドの運転」と比較する「ロナルド以外の運転」を経験していればって話なんですが……。

シンヨコだと必要ない

まあ基本新横から出ないですし。
新横から出る時は電車を利用しているようなので、車に乗る機会自体極端に少ないのはありますよね。

ドラルクが新横外に用事ある時も大体電車で行ける都会っぽいかな。
新宿に映画を見に行ったり(180死)はしてました。

車で行く用事があるとしたらロナルドが依頼を受けた場合ですが。 それってやっぱり「若造の運転」ですからね……。
「若造の運転」を評価するには比べる材料にする為に、「若造以外の運転」のことを知らないと。

それも、同じくらいの大きさの乗用車に乗った経験じゃないと、単純に比較対象にはしにくいですが……。


ウーン、やはり「新横にいるとあんまり比較対象に恵まれない」ですね。

では、「新横に来るまではどうだったのか」。ですが……。

シンヨコにくる前

結論から言うと、「有ってもあんまり意味ない」です。

何故なら、「荒い」つまり「乗り心地がいかに良いか悪いか」という話をするなら、
どうかんがえても現代の方が「車体に使われる技術」が向上しているので。


確かドラルクは、新横にくる直前は埼玉の城で引きこもり生活をしていました。
ジョンは穴掘り遊びが好きですし、ドラルク自身も城の外を散歩するくらいのことはしていたようですが……。
「ネカフェ」の存在を知りながら行ったことないようなことも言っていたので(18死)、現代の人間社会に直接触れるような外出はしたことなかったのでしょう。


だとすると、車に乗ったことがあるとしたら「埼玉の城に住み始める前」になります。

FB1の70pによると、ドラルクが日本に来た時期は「世界大戦後しばらく経った頃」とのこと。まあ50年以上は埼玉に住んでたと考えるのが自然でしょうか。

そうなると、「ロナルドの運転」と比べる対象が「50年前以上の車」の経験になってしまいます。

そこまでの年代差があると
運転の荒さの前に、車の性能からいって「昔の方が荒く感じる」はずなんですよね……。

本当に発明されたての最初期になると、「空気入りタイヤ」すら使われていなくて、乗り心地ガッタガタだったでしょうし。
大衆化されてきてからも、結構運転と関係ないマシーントラブルで危険な事故もあったみたいです。ハンドルが何故か逆に回って骨折したりとか(!?)。

gazoo.com


そしてもうひとつ、一族の庇護下にいる際には、車は「移動手段」として選択肢に入らないだろう。ということ。


車を移動手段として使う場合、致命的な問題点があるからです。

人間の使う道を、人間のルールを守って利用する必要がある。

渋滞。
信号。
速度制限。
そして、車自体の「速さ」の限界。

そう……遅すぎるんです。車ってやつは……。

そんな自動車の「遅さ」を見て、古き血の吸血鬼ヴェントルー・ブルーブラッドは嘲笑したことでしょう。
彼の最高速度は「音速をはるかに越えた超スピード」。FB2にもあります。

正直、

「飛行能力のある吸血鬼」は車に乗るより自分で飛んじゃった方が速い

これはもう、否めません。
渋滞も駐車場も道交法も関係ない。都合が良いんだろうと思います。車で行けるような距離なら。

ドラウスは「何をするにも二番手」とのことでしたから……(FB2/86p)
ヴェントルーほどじゃないにしろ、速く飛べるのでしょう。
本編の描写を見ると御真祖様もミラさんもノースディンも、飛んで移動していますね(70死/144死/155死)。

ドラルクを見守ってきた面々が大体「飛んで移動」が当たり前のようなので、ドラルクが移動するならそれに便乗して運んでもらうのが自然でしょう。


91死の腰ギックリドラウスの時に「ゴルゴナに電話して車出してもらってくれ〜」という台詞もあるくらいなので、ゴルゴナおばさまは運転できるようですが。
ちょっとした負傷で車を出してもらうだけなのに「妹に向こう百年揄われる」みたいな認識なので、普段なら「ありえない」事態なんだろうな……。



車の経験があるとすれば……移動手段としてでなく、遊びとしてなら。もしくは。
というところですね。
御真祖様の好奇心も手伝って発明された時・新しいものが出た時にー族と一緒に試したり、もしくは真似して作ったりした可能性は、なくもない。

ですがまあ、先述したように「若造の運転の荒さ」を評価する参考にはならなかったんじゃないかと思いますね。

経験値的に言うと

ドラルクには「若造の運転の荒さ」をどうこう言うだけの経験値は多分ない。 です。

新横では車にめったに乗らないし。
新横に来る前の経験は参考にならないし。
オータムに行くのもメイデンか亜空間だし。


じゃあ知識の方はどうなんだってことになりますが。


これも、ないですね。

運転についての知識

まず免許持ってないですし。道交法とかもよくわかってないと思います。

【ドラルク】
レースゲームメッチャ上手いので「運転免許も余裕、いつでも取りに行けますよ」と本気で思っているお花畑おじさん。

━「吸血鬼すぐ死ぬ」18巻/柱情報:第213死

↑で知識がないのもよくわかるんですが、一番重要なのは『自分は運転に関して無知だ』という認識すらないところ」ですね。

こういう自覚がないのが、一番「適当なことを言っちゃえる」状態だと思います。



あとですね、そもそもドラルクはちょっと…。

「レースゲームできる=運転できる」のように、聞き齧っただけで調査や経験を積んでいない物事について、勝手に本気で「わかった風」に言うところが有るようなので。

特に人間社会に必要なスキルの話なんかだと、あんまり実感の籠ったコメントじゃないんだろうな……というのは、全体としてありますね。

事務所や新横で生活する上で必要な物事は、段々と学んできたでしょうけれども。
運転に関しては必要ないので、145死時点でも全然わからなかったのかと。


「無意識の決めつけ」か?

じゃあつまり、ドラルクは「車に乗ること自体に慣れてない」から……。

「慣れてないせいで、そこまで酷い運転でもないのに荒く感じた」のかな?


て見方になるんですけど……。

いや、もうここで「結論!」ってしても全然おかしくはないんですけど。


ここは……、もうちょい踏み込みたくなっちゃいますね。

それというのも盆ノ木先生の補足の文面がアレ。
なんかすごいハッキリ断定調で事実提示してきてるので。

ロナルドが「素人にもわかるようなミスらしいミスをちょこっとだけする」とか……そういう隙があったかすら、怪しいんですよね……。

どっちの問題か

盆乃木先生がアニメの「グッドマザー・グッドバイサマー回」放送時に呟いていたツイートがこれですね。

すっごい断定してくる
先生のツイートのキャラに対するコメントって「〜だろうか」みたいな予想っぽい言い方もよくある中で、すっごい断定してきてる…。


「若造がちゃんと運転してないわけないでしょ。
だってこの子教習所のビデオがトラウマになってるくらいだもん。」


みたいな。 そんな言い方はしてないんですけど、此方が勝手にこういうニュアンスを受け取っちゃうくらいには。もう。

23巻(+FB2)のアカジャでもロナルド自身が「運転荒くない」って言ってますしね。これ、FB2の内容に関する言及ですから、ドラルクの「荒いんだよ!」発言への反論ってことだと思います。

↑を見てから、
「ドラルク経験値なさそうだし、ロナルドくんのが事実に近いこと言ってるのかな…でも騒動後だったから落ち着かなくてちょっとミスしたりして、そこをドラルクがワーワー言ってるのかも?」
なんて考えてたんですけども。


その後「ちゃんと運転しています」ツイートで先生のハッキリした見解を頂けたので、もう此方としては完全にアレですね。


ドラルク側の問題

だと思っています……。


というかよく考えたら、焦ってドラルクを探してる最中ならまだしも、既に車に乗せてる段階で慌てて荒い運転して死なせる意味とかないので、基本的に丁寧な運転をしてたんだろうな〜と。
今なら思えます。

トラウマから緊張感を持ってウィンカー出す所まで気を遣ってる運転手の些細なミスを、ドドドド素人のドラルクが見抜いて指摘してたと考えるとやっぱ妙ですし……。


「シートベルトって死ぬととれちゃうから不便だよね」の発言がある以上、走行中に死んでたのは事実だと思います。


この方向で考えていくと、
運転してた本人が言うように、ミスもしてない意味不明なタイミングでドラルクが勝手に死んでた可能性が高いですかね。
それをドラルクが「若造の運転が荒いから!」って言ってたんじゃないかと……。

原作者がロナルドくんの方に加勢しちゃいましたしねぇ…。

で。
そうなってくると今度は、
ドラルクが走行中に勝手に死んじゃった原因ですよね。気になるのは。

ポイントは、あの「ヒヤヒヤ」でしょうか。

次→『ヒヤヒヤって何さ』

## ヒヤヒヤって何さ **若造の運転はちゃんとしてた**、っていうのは前提とします。先生のツイートもありますしね。荒くもなかったし、危なくもなかった。
ここで話すのは

「**荒くも危なくもない運転でどうして「ヒヤヒヤ」して**、「荒い」と騒ぐほど死んだのか?」

これです。

というか、「丁寧な筈の自動車の運転」で**ヒヤヒヤするような感性してたっけ?**というのはちょっと……思いますね。まず。


だってこの吸血鬼、80死で**モーターボートに乗ってメチャメチャ楽しそう**に鍋持ったりとか、してますし……。「海=流水」なのはもちろん、死にやすいドラルクは水中で塵が流されると不味いはず。その海の上でモーターボートって結構揺れるけど……?
それで平気なら車なんて揺り椅子みたいなモンじゃなかろうか。急に横転する訳でもあるまいし。
150死で飛翔パパに乗って駆けつけた際も、疲弊した様子なかったんですよね。**車よりよっぽど速い吸血鬼の飛行**で何とも思ってない。


やっぱりどうも、ピンとこないですね。


更に言うと、**254死でカメ谷たちと深々山のホテルに行った時**もロナルドが運転していましたが、あの場面では**さっぱり全く緊張も何もない**ですし。
**セロリで運転の邪魔まで**するくらいで。

というかあの高速回転しといて事故らないって**物凄い運転能力高くないです?**
ドラルクもそれをわかっててフザけてる感じで……
とんでもなく**お気楽**です。

若造の**運転能力を全く疑っていない**。
運転中ずっと**ヒヤヒヤした経験のある身とは思えない**。


なあ……ドラルク……。
君は**本当に**、若造の運転を**荒いと思っていたのか**……?


なんか。
もうこれ、**逆**じゃないかと思います。

「運転が荒いから度々死んで、ずっと緊張していた」んじゃなくて、
「**ずっと緊張していたから度々死んで、運転が荒いってことにした**」のでは?
### 若造のせいなら そもそもドラルクってあの時、なんか**自分から死のうとしてた**じゃないですか。
> ウッ 我が家の恥部を…
> おい若造 何笑ってる
> ビンタして死ぬぞ
>
> ━「吸血鬼すぐ死ぬ」12巻/145死
ここのセリフ、家族のすったもんだをロナルドやヒナイチに見られてしまって、**恥ずかしかったから**って話ですよね?「**恥部**を…」て言っていることだし。

こういう「親の恥ずかしいところを見てしまって、**見られてしまって、恥で死ぬ**」ていうの、196死ドラウスヌーチューバー回とかでもあったと思いますが…。

あの時はビンタ反作用死もしてません。

ドラウスの奇行動画→死。
ドラウスの奇行動画→ドラルクの実父と知られる→死。

そうです。

前からわかってたことではありますが、ドラルクは**「恥ずかしさ」だけで死ねる**。

言葉通りなら145死のラストも、**ドラルクは「恥ずかしさ」だけで死ぬとこだった筈**です。
ヌーチューバー回と似た種のダメージですから。

けど、敢えてビンタして死にたがった。


わかる。
わかるぞ……ドラルク。
恥ずかしい時って、「あ、今こいつ物凄く恥ずかしいって思ってるんだ」て悟られると余計恥ずかしくなっちゃうよな。

そんな時は逆に「いやー恥ずかしい!ハハハ!」と……**自ら申告して、「言及出来るくらいには冷静な風」に繕ったりする**んだ。人って。

吸血鬼もそうなんだね。

あそこでビンタ反作用死したかったの、**それ**でしょ。


……たぶん、
**「恥ずかしさだけで死ぬほど」だ**と知られたくなかったんだろうな……。

無言で死んじゃうくらいの大ダメージだと悟られるくらいなら、
自分で「恥」だと言ってみせて、キレつつ**若造にビンタして反作用で死んだことにした方が、軽傷**だから。


### 精神ダメージ 145死のドラルクは、もう本当に色々、精神的にダメージを喰らってたと思います。
母の暴走、それに怒る自分、そして父がやってきた直後の夫婦の空気……そういう親の恥ずかしいところを見ちゃった、見られちゃった、というのも有りますし。
その直前の「お友達だもん」が**絶対聞こえてた距離**で「お友達」が登場してるのも有りますし。

記憶が混濁する中、自分が**無意識に「ロナルドくんたち」に写真を**送っていて?
それを頼りに**レンタカー借りて新横から埼玉まで**追いかけてきてくれて?
「お友達」と日常を感じさせる**会話をしたら記憶が戻って**?


この砂おじさん、144死で**若造たち側から言われてやっと**、「若造たちへの好感」の断片を発するか発さないかというところだったんですけどねぇ。

145死では、だいぶ「お友達」を好きなのが、**普通に本人たちに伝わっちゃった**感じです……。
**不本意に一足飛びに心を暴かれた**というか。


**催眠耐性**、ありますからね。ドラルクって。
「**自分だけはそんなことにならんだろ**」って気分だったかもしれないですよね。
こっそり書いてた**自伝読まれたのも恥ギレ**してましたし(138死)……普段想定してない分、無理やり心の内側を暴かれるの、**メチャメチャ堪える**方なんじゃないかな…。


中でもキツいのは、**普段煽って遊んでる対象のロナルド**に一方的に「笑う余裕」が有ったことでしょうか。


終始振り回されてばっかりで**訳わかんないまま事態が進んでたドラルク**と違って、**ロナルド側は**「連れ戻すぞ」ってしっかり覚悟決めて、ぜ〜〜んぶ**承知の上で行動**してきてるので。
心の準備が違うというか……。

> おい若造 何笑ってる
> ビンタして死ぬぞ
>
> ━「吸血鬼すぐ死ぬ」12巻/145死
そこの**温度差**が、「おい若造 何笑ってる」て言葉に出ている。


**ドラルクは**訳わからんやら恥ずかしいやらで**動揺している**のに、
**ロナルドは**何もかもとっくに承知で、なんかわからんが**笑っている**。


この上、「あまりにも**精神的乱れが凄すぎて**道中なんでもないところで死にまくってた」なんて……

知られたら余計『**無理**』じゃないですか?

だったらもう、**死因を誤認**させるしかなくないですか?


### 含まれる真実 「ビンタして死ぬぞ」には、**「恥だけで死ぬ、という恥ずかしさ」を隠そうとする心理**があるんじゃないかという話はしました。

「恥ずかしさの**精神ダメージ**で死んだ」じゃなくて、
「若造をビンタした**物理ダメージ**で死んだ」ってことにしたかったと。


> **・ロナルドさんが運転する車に乗ったことがあるそうですが、乗り心地は?**
> 荒いんだよ、あいつの運転!集中力なさそうだからドラちゃんヒヤヒヤしどおしであった。シートベルトって死ぬととれちゃうから不便だよね。
>
> ━吸血鬼すぐ死ぬ公式ファンブック週刊バンパイアハンター特別創刊号2
↑のセリフで同じ見方をしますと、こうです。
「ロナルドの運転が荒い、危ないという**物理ダメージ**」と誤認させようとしているが、 「ドラルク自身の内側からくる**精神ダメージ**」が本当の死因だった……


「若造の運転」に問題がないことくらい、車経験の浅〜いドラルクにもなんとなくわかっていたけれど、わざと「若造のせい」にした。。
そうすれば、**254死であんなにお気楽**に「運転中の若造にセロリアタック☆」してた謎が解けます。

コレが「ドラルクの評が**どれだけ信頼できるか**」を考える為の2つ目のポイント。

「**わざわざ嘘をつく動機があるか?**」
という観点です。

「え!?じゃあ**結局ドラルクのウソだったってこと?**」

と愕然としてしまう方もいるかもしれないんですけど、**待って**。
そうじゃないんです、待って……。

例えこの解釈で進めるとしても、ドラルクが誤魔化したのはあくまでも、**「死因」だけ**。


「ロナルドの運転スキル」以外の

「**死んでシートベルトが取れた**」とか
「**ヒヤヒヤしどおし**」とか
「**集中力なさそう**、と思った」とか……

その辺りは丸っきり嘘ではないし。
**「嘘がつきづらい要素」なので、真実がどうしても混入してしまっている**と思います。

本人的には、大嘘つきたかったかもしれないですが。無理です。


まず**「死んだ」か「死んでない」か**は、その場にいるロナルド、ヒナイチ、ジョンが見ているので嘘だと即バレます。
よって**「車の走行中に度々死んだ」のは事実**。

次、「**ヒヤヒヤしどおし**」については……本人の内心の話なんですが、
もしも「実は全く何の心配もなくグッスリ寝こけていた」…とかだったら流石に周りから見て「嘘じゃん」となります。
よって**乗車中、終始「気の抜けない精神状態だった」**…くらいは事実でしょう。

次、「**集中力なさそう**」。これも本人の感想なのでどうとでも言えそうですが、
これを言うために**クリアしてないといけない条件**がありますね。
それは、「**ロナルドの運転する様子を見ていたこと**」。

車窓の景色とかをずっと見ていたのに、運転手に対して「集中力なさそう」とは中々言えないですから。
ヒナイチやジョンのような第三者の視点があると余計、「見てなかったもの」を「見てた」ってことにするのは難しそうです。

ロナルドの振る舞いが、果たして「集中力なさそう」に見えたか?という部分は、それぞれの感性によるところなので、まあ置いておきましょう。


まとめます。
ドラルクの「荒いんだよ!」発言の中から抽出できる「事実らしきもの」は……
『車の走行中、ドラルクは**ずっと「ロナルドの運転する様子」を見て**いて、
終始「**気の抜けない精神状態**」だった。
そして**度々**、意味不明なタイミングで**死んで、シートベルトが外れたりした**』



という感じですね!

上の「**気の抜けない精神状態**」ってやつが、前項で書いた**「本来の死因」の精神ダメージ**と考えるのが自然ですかねぇ…。


**精神ダメージの具体的な内容**については前項でも書きましたが……まあそれに限らず「色々」だろうと思います。
親のこともあるでしょうし、自分の振る舞いもあるでしょうし、周りとの認識の差とか、騒動後特有の変な高揚感とか、そのくせ普段通りの会話をする違和感、揚げていくとキリがなさそうなので、ここらでやめときますが……

とにかく彼は、**普段通りの精神状態じゃなかった**んでしょう。
**自覚**も有った。自覚しやすい変化…心拍が乱れてたりしたのかな。

それが、本人のいう「ヒヤヒヤ」の正体で。

その**「ヒヤヒヤ」こそが、本来の死因**!


なんじゃないですかね!

## つまりこうだ さて、本来のマシュマロのご質問にちゃんと戻りましょう。
> **FB2でロ君の運転を「荒いんだよ」と評したドさんに対して、先生は「若造は運転ちゃんとしています」とのツイート**。この差はどこから来たのでしょうか。

「ドラルクの見解」と「盆ノ木先生のツイート」に差異が出たのは、

ドラルクが**発言の一部に「誤魔化し」を含めていた**から。

だと思います。



**ロナルドは**道交法をちゃんと守って、自分のトラウマを刺激しない、**安全な運転を心がけていた**はずです。
行きと違って、死にやすい砂も乗せていることですしね。

事務所へ帰る際、ドラルクは**車のシートの上で度々死にました**が、
それは**ロナルドの運転のせいではなかった**。

それについては、ドラルク本人もなんとなく承知していました。
帰りつくまで、**ずっとロナルドが運転する様子を見て**いましたし……
その間、終始自分が**思わず死んでしまうほど動揺**していて、**普段の精神状態でない自覚があった**為です。

ロナルドが悪くないのは分かっていましたが……ドラルクは、車中で延々と死に続けるほど**感情が乱れているのを悟られたくありませんでした**。

その為、一括で**「ロナルドの運転が荒いから」ということにした**訳です。


そしてその**死因誤認トリックは成功**。
ロナルドは別に「荒い運転」をしているつもりはありませんでしたが、**『雑魚だから凄い死ぬんだな』的解釈**をしてくれました。
(「あいつ殺さない運転コップの水をこぼさねえでカーブするより難しいって」)

ですがドラルクはうっかり。
カメ谷の企画に便乗し小旅行するのに浮かれて「セロリサンドジョンアタック」をやったりし、
**「自分が若造の運転に何の恐怖も緊張も抱いていないこと」を(読者視点で)露見**してしまいました!
ついでに、若造の運転能力の高さも露見しました。

けれど、ロナルドの方はその**矛盾に気が付く気配はない**ようです。

もうこうなってしまっては、ドラルクが「実は……」と言い出さない限り、ロナルドが「あの時の死因」について**何かを察することはない**のかもしれない……。



というのが、今のところの私の解釈になります!

マロ主さんが解釈する際、参考になるところがあれば幸いです。


あ〜☺️
質問していただけると、答えながら気づくところもあり、やはり楽しいですね。
よかったらまた話しかけてください〜。
マロありがとうございました!

*1:マシュマロ。匿名メッセージサービス