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【考察tips】国会図書館で雑誌バックナンバーを遠隔複写

この記事では、国会図書館(NDL)のwebの遠隔複写サービス、特に雑誌のバックナンバーについてご紹介します。


雑誌のバックナンバーが遡れない?

最近は出版社独自のwebサービス・アプリなどでカバーされ始めましたが、まだまだ雑誌のバックナンバーというと確実に遡るのは難しいのが現状です。そんな時でも、国会図書館を利用すれば閲覧できます

閲覧方法は2つです。

①直接来館する。
②遠隔複写サービスを使う。

直接来館する場合は館内スタッフさんたちに質問すれば案内してもらえますが、「遠隔複写サービス」を利用する場合はその場で誰かに質問することができません。

故に自力で頑張らねばならないのですが……国会図書館のサイトは検索結果の見方や複写申込の方法など、独特の機能、独特のUIがあります。 こういったところで迷う人も少なくないですので、今回は「②遠隔複写サービスを使う。」の流れを説明しようと思います。

『遠隔複写サービス』って?

国会図書館は東京に本館がありますが、本館に来館せずとも書籍の内容を館内スタッフにコピー、郵送してもらうことができます。それが「遠隔複写サービス」です。

まずは登録

国会図書館のwebサイトを利用したことがない、初めて!という方はまず利用者登録をしましょう。下記の記事で流れを説明しています。

zara.hateblo.jp

検索しよう

登録が済んだらさっそく検索します。

https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/

上記にアクセスし、雑誌のタイトルを正確に入力しましょう。
入力できたら虫眼鏡🔍マークを押します。


すると↑こんな感じの検索結果に。
おわかりかと思いますが、「週刊少年チャンピオン」で検索したのに、現在刊行し続けている雑誌の「週刊少年チャンピオン」そのものは検索トップに出てくるとも限らないんですね。

ここが最初に「?」となるところです。


しかし、無い訳がないので、下までスクロールして探します。

目的である、雑誌のタイトル単体の項目
ありましたー! 検索結果1ページ目ではありますが、最下部に表示されてますね。この様子だと、雑誌の種類によっては検索結果2ページ目や3ページ目に出てきたり……とかもあるかもしれないので、検索1ページ目でもし

「あれ、雑誌の名前を含む書籍はあるけど、雑誌そのものがないな……?」

と思っても諦めずにページ移動して探してみてください。

そして、雑誌の名前単体のタイトルを見つけたら、選択。

読みたい巻号を見つけよう

検索で雑誌タイトル全体を選択すると、巻号を一覧表示するページが出てきます。長く刊行している雑誌ほど沢山出てきて目眩がしますが、並びは上ほど新しく、下に行くほど古い順になっており、週刊の雑誌でも先週号あたりから所蔵しているようです。


さてここが重要なのですが、雑誌は巻号ごとにタイトルが変わるわけではないので、一覧ページのタイトルは無機質な数字が並ぶのみなんですね。

チャンピオンであれば
「53(45)=2615:2021.11.25( (50) )」のような形式がずら〜。

オレンジページであれば
「38(1):2022.1.2」みたいなのが、ずら〜。


自分の読みたい巻号が「20XX年のXX号……!」とハッキリとわかっている場合でも、こうして数字を並べられると若干不安になります

「XX号にあたる数字はどれなんだ……?こ、これかな……?」

ここが第二の「?」ポイントです。

そんな不安を払拭する為に大事なのが、「発売日」を控えておくことです。

発売日がわかれば確実

前項のタイトルの例を再び引用します。

チャンピオンは
53(45)=2615:2021.11.25 ( (50) )

オレンジページは
38(1):2022.1.2

のような形式でした。

太字でわかりやすくしましたが、「:」の右側に発売日の日付が含まれているんですね。これは、どの雑誌も同じのようです。

ですから、出版社の公式SNS・webなどで検索して、発売日を控えておくと「確実にこの号だ!」とわかって安心です。月刊誌などは、「7月号」と言いつつ6月に発売していたりするのでご注意を。

どの号か確信が持てたなら、それをタップ(クリック)で選択しましょう。
項目の背景が青色に強調されたのを確認してください。

目的の巻号を選択した状態
↑こんな感じ。

複写箇所指定

読みたい巻号が選択できたら、巻号一覧の右上の方にある「遠隔複写」というボタンを押して遠隔複写カートに書籍を追加します。

すると、複写箇所指定のウィンドウが現れます。雑誌の読みたいところだけ複写してもらうということです。

↑の画像では、ページを指定(「91 - 102」としている箇所)していますが、「目次に載っている項目タイトル」がわかる場合は複写してもらえるようです。

「誌名」と「巻号(又は発行年月日)」に加え、「論文等のタイトル(又は著者名等、当該雑誌の目次から複写箇所が特定できる情報)」か「論文等の掲載ページ」
遠隔複写サービス|国立国会図書館―National Diet Library

雑誌の場合は↑のような情報が必要とのこと。
画像の例で言えば、目次に載っている作品のタイトル「吸血鬼すぐ死ぬ」だけでも大丈夫でしょう。
ですが、わかるのならページ数も書いておいた方がいいですね。念の為……というか、スタッフさんの手間が省けて少しでも届くのが早くなるかもしれないので。
(効果の程は定かではありません)

申込手続

さて、複写した巻号・複写箇所を全て指定できたら、サイトの上部ナビゲーションバーの最右、カートのマークを押します

きちんと指定してカートに入れることができていたら、カートマークの右側に数字が出ているはずですので確かめてください。

カートのページでは、今まで指定した書籍と複写箇所がずらっと並んでいます。

その右側にある「申込手続きに進む」のボタンをpush。

複写箇所の確認をし、間違いがなければ「調査研究の用に供するため」の欄にチェックを入れた上で「申込内容の確認へ」

最終確認のページが出てきます。

先ほどと同じ内容に思えますが、ここ。
「はいはい」と流さずに、最後の確認をしっかりしてください


何故なら、複写料金の支払方法の確認とかもなく、速攻で申込完了してしまうからです……。

ここが第三の「?」ポイントですね。


当然なのですが、複写には料金がかかります

料金の詳細については以下のページからどうぞ↓

複写料金表(遠隔複写)|国立国会図書館―National Diet Library


つまりですね、ここで請求されなくとも、後からちゃんと「払込票」が送られてきます。これを払わなかったら利用規則違反になってしまいます

万が一複写を間違って申し込んでしまった場合は、大急ぎで国会図書館のwebにログインし、ナビゲーションバーの砂時計⏳マークをpushして申込ステータスを確認することです。

そこで、該当資料のステータスが「複写箇所特定中」「作業保留中」であれば、キャンセルが可能です。

複写作業が始まってしまっている場合は、……悲しいですが、手遅れです。複写物は送られてきますし、所定の料金も払う必要があります。


「複写箇所の指定間違っちゃった!でも料金は払わないと……」


とか、そういう悲しい事態にならないように、ちゃんと最後に巻号とやページ数、タイトルや著者名などに誤りがないか、最後に今一度確認しましょう


よし!完璧!となったら「この内容で申し込む」をpush!

これで申込は完了です!

届くまで待つ


もうなんですかね。とにかく遅い場合は1週間以上掛かったりもするので、焦らないことです。

「支払いの仕方とかメールで届いてないかな!?」

とか受信ボックスを見に行っても「申込受付完了」の確認メールと、「複写製品の発送準備が整いました。本日または翌開館日に発送いたします。」という報告のメールしかないので、ジタバタする意味はないです。

流石に3週間とか経ったら郵便事故を疑った方がいいかもしれないので、改めてwebに行って問い合わせしましょう。電話してみてもいいかもしれません。

複写料金の支払い

支払いですが、
複写資料とともに「払込票」が添付される形です。

「金融機関又はコンビニエンスストアにてお支払いください。」

とのこと。

個人的には、コンビニで払うのが簡単でオススメです!手数料もそんなに変わりません。
むしろ筆者の場合、コンビニの方が結果的に安かった気がします。
ここはそれぞれの状況によると思うので、「払込票 料金」で検索をかけて比較検討をお勧めします。

まとめ


以上、雑誌のバックナンバーを国会図書館で遠隔複写申込する流れでした!

国会図書館の検索システムは初めて利用する人間からすると独特ですが、キチンと使うことができれば「読めないと思っていた!」という内容にも触れることができる便利なツールです。


利用するときの不安が、少しでもこの記事で緩和できれば幸いです。