花婿イデア💀psとホームボイス、読みました。
すごかった。
なんというか、イデア・シュラウドに関して、「知ってはいたけど、甘く見ていたこと」について、かなり強烈につきつけられた感じがします。
おそらく、「[なりきり花婿]イデア・シュラウド」は、(6章前の現時点において)彼を把握するにあたり、最も親切な参考書だと思う。
特に「イデアのどうしようもない不具合」について、はっきり提示されているのが大きい。なりきり花婿💀を読むだけで、既出のエピソードも認識改めたくなります。
つまりこの先は容赦なくネタバレがあるので、そのあたりダメな人は気をつけてください。SSRの話だけでなく、
・ゴースト・マリッジ
・フェアリー・ガラ
・星に願いを
等々、イベントの一場面にも触れてるのでご注意を。
婿イデのテーマは「ポンコツ」
なりきり花婿💀で一貫して描かれたもの。
それは、『イデア・シュラウドの「客観力」のポンコツ具合』です。
パソストの①〜③まで全部それです。
他人を売ろうとした自分を棚上げして「みんなが残酷!」ってなってたのもその一部ですね。
でもまあ、ヴィルやレオナに「助けに来た奴をゴーストに売ろうとした」と言われたときは、言い返せずに認めざるを得ない感じになっていましたから、「自分の何がいけなかったか?」は、指摘されて認識できないことはないんです。自分が悪印象を与えたことはわかる。
それよりも逆の方が深刻です。
彼は、「自分が他人に与えうる好印象」について、全く、全然、認識できない。
あんまりわかってない、とかではない。全然わかっていない。
じいやたちに褒められてもダメ、自分で思い直すともっとダメ、そして皆に手放しで熱心に褒められても全然ダメ。
これでもか、というくらい、認められないんですよ。
「自分の見目へのコンプレックス」への頑なさ
『皆様に深く御礼申し上げます』の3で、イデアは怒涛の誉め殺しにあいました。
それで、軽くパニックになり冷や汗を掻きつつめちゃめちゃ失礼な早口をかましてしまった訳ですけども、
あの時に他下げ的言い回しをしてしまったのって多分
「自分は見目がよくない」と
「今周りが本気で自分を褒めている」
という状況の両立を計った結果なんだと思います。
(受け入れないと誉め殺しが終わらない感じだったのもある)
つまり、
「イデアはこれだけ熱心に褒められても『自分の容貌が優れている』と認めませんよ」
ってこと。
まあ、このあたりに関しては設定資料集に書いてある通り、
顔立ちは整っているのですが本人にその自覚はないです。
——ツイステッドワンダーランド公式設定資料集(167p)
コレが全てでしょう。
つまり、『思い込み』です。
「自分の感覚と違って、他の人にどう見られるかわからないから低めに見積もっとこ……」とか、そんな生ぬるい話ではなくて。
本当に、本気で、自分自身こそが「自分の見目がよくない」って思っているんです。
だから其処をどう他人に褒められても、「見る人の感覚によっては、格好よく見えるのか?」という納得の仕方しかできない。
そりゃ見る人のレベルによってはそれなりに見えるでしょうけど世界規模で見たら拙者などランク弱者
——『皆様に深く御礼申し上げます』-3
この時の表情↑、資料集では「仲良くなった時」に出るとあるので、あれはパニックついでに若干心開いたってことでもあるのかもしれない……。
言い方がメチャメチャ悪すぎるので自分の美しさを鼻にかけているような気さえするけど、言っていること全部を解きほぐすと「見る側の感性」に全ての要因を見ており、「そう見えることもあるかも」って言っていて「事実、自分が格好いい」とは全然認めてないんですよね。
あれだけ調子に乗っておいて、出てきた見目への自賛が「幼少期に利発そうな坊ちゃん」と言われてた、てだけで、現在の顔に対する言及はゼロです。こだわりがあるとかは自分の熱心さに対してであって、容貌に関してじゃないですし。
幼少期以降に見た目を褒められた記憶ないのか???自慢できる褒められエピソードないの???あの顔で???
なんか凄く妙じゃないですか?
異常だと思う。だって、彼にはヴィルやレオナの容貌を「美形」と判断できる、物凄く正常な美的感覚が備わってるんですよ……?
なんで自分の美しさが把握できないんだ……?
ここのあたりに、イデアの「普通じゃなさ」が潜んでいる気がします。
なんだろうな……過去に、延々外見を貶される経験があったとか?
「鏡に映る自分が醜く見える呪い」とかかかってるとか?
むしろ鏡に映らないとか?
まあわかんないですが……。
現時点では、何が原因でその思い込みが形成されたのかは謎です、けども。
しかし、「相当の根深さをもった思い込み」であることだけは確かです。
思い込みが激しい人って怖いよね。
物事を客観視できないって
拙者が一番近寄りたくないタイプですわ〜
——なりきり花婿イデア-ホームボイス
いやお前。
お前お前お前お前。
お前なんだよ。それは。
お前のことなんだよ。
今世紀最大のおまいうにインド人もびっくりだよ。
でも、イデアは「僕はちゃんと自分を客観視して、見目がよくないってわかってる!」って思ってんですよね。
(奇跡☆大矛盾イリュージョンか?)
事実と主観の齟齬
「イデアが美形で格好いい」っていう話は、
エースが「本当のこと」と表現して、リドルたちが「確かに」ってなったように、『事実』で。
イデア・シュラウドを形成する特徴のひとつなんです、それなのに。
それを本人が『全く』把握できていない……イデア自身が認識する、「イデア・シュラウド像」に含まれていない。
そうやって「思い込んでいる」ことだけは、確実(明示された設定なので)。その思い込みを『深く御礼〜』で改めて突きつけられたんですよね……。
彼の自画像の不正確っぷりはココまで極端なのです。と。
そういう心づもりで婿イデPSを読んでいくと、他の部分にも所々「主観と事実との食い違い」があります。
不正確な自画像
例えばイデアは「自分は咄嗟に他人の為に動けない」と、思っていました。
けれど、星イベでマレウスの願いを聞いたイデアは、そんなことはなかった。
悩みを聞いた途端にすぐさまオルトと協力して調べて、願いを叶えてしまったんです。きっとイデアは「助けよう」とか、「マレウスの為」だとは意図していなくて、自分にとっては大したことないことで、だから褒美を与えると言われてもピンと来なかったんでしょうけど……。
意図していないからこそ、相手が誰だろうと関係ない、彼自身の特性から出た「咄嗟の行動」とも言えます。
さらに彼が、「見た目ばっかり気にして、自分は迷惑なゴーストと変わらない」と感じた場面もありました。見た目によって、人の真剣さを笑った汚さを恥ずかしく思った。
しかしガラ🐍PSに出てくるイデアはどうだったでしょう。
ひとりのお楽しみタイムを邪魔されたのに、いきなり「打ち方を教えてください」と頼まれてちゃんと最後まで付き合ったし、(ただ訳もわからず打ち方を教えただけじゃなく、最終目的であるショーのことまで把握して熱を入れていた)最終的にジャミルは、振り付けの正確さだけではない「パッション」を学んだ訳です。
そもそも『がけも』だって、「見た目」に粗(シワ)があるグループ。でも、それに構わずイデアはファンでいる。その『がけも』の「見た目だけじゃない魅力」が、イデアを通してジャミルに伝わったってことなんですよね。
アイドルはどうでもいい、とすら思っていたジャミルが、「『がけも』のおかげです」とまで言ったわけだから。
イデアは、常日頃から何もかもを見た目だけで判断してるわけでは、決してない。
(まあ場違いなところで笑った事実は何にも変わらないし其処は反省してもいいと思いますけど。
それだけで自分の価値観の全部を卑下するもんでもないです。)
誰かと関わっている時の、誰かの経験を通して見たイデアって……
本人の主観が捉えるほどには、性格上悪いところばっかりの人間ではないんですよね。
そりゃ自分勝手な部分はあるし、失礼なこともめちゃめちゃ言うけど。
人を助けているところだってあるし、相手をストレートに褒める言葉だってかけられる。
悪いところもあれば、いいところもある。こんなの、みんなと一緒です。
彼の思うような「根っこが違うんだ」とか言う話ではない。
それにですよ。
『皆様に深く御礼〜』のイデアは、エースのことを「主人公みたいで格好良かった」と表現しました。それは嘘でもお世辞でもない、本当に思ったこと。しかも直前に「お礼の言い方」でちょっと揉めかけたのに、意地を張り続けたりしないで「本当だよ」って素直に伝えたんですよ。
本当だよ。助けに来てくれたエース氏
漫画のヒーローみたいで格好よかった。
——『皆様に深く御礼申し上げます』-3
その上でイデアが落ち込んでしまったからエースは、「なんか可哀想かも」となって、自分も感じた通り褒めようと思ったんでしょう。
(一章でも描かれた通りエースは、人並みに憐れみを持っていても、その憐れみだけで「自分に優しくしない人」に優しくするようなタイプじゃないんですよね。それはたぶん、「自分に優しい人」に優しくしたいからだと思う)
それってつまり、自分の言葉でエースの批判的な気持ちを変えたってことで、彼が「エース氏みたいにできない」と言っていた『説得』と同等のことをしてたんです。
しかも、恥じらうことなく。
結果、あんなことになりましたけど……。
パソスト芸人の真髄
誰だって主観と客観では、印象が違います。それは当然のことです。でもイデアに関しては、それをもっと極端に考えなくてはならないかもしれない。彼の自己言及は、下手に鵜呑みにしちゃいけない。
だって彼、「客観力」がドン底ZEROだから。言われないと気が付かない、なんてことは誰にでもあるけど、「あれだけ言われても気が付かない」っていうレベルなんですから、相当です。
見える結果が出る成績やゲーム、成果として認識できる研究や制作物に関しては、自己評価できているのに……。残念ながら「他人から自分がどう見えるか」も、「自分がどう行動してきたか」も全然わかってない。
それなのに、彼はやたらと自己言及しまくります。
イデア・シュラウドは「自分が今何を思ったか」は割とハッキリ言語化する。目の前の人はこうで、それと違って自分はこうなんだ、という風に。
「何を考えているかわからない意味深さ」を醸すようなことがあまりなくて、あたかも「心の中が丸見え」みたいに描かれているんですよね。
相手の言動にムカついたりとか、焦ったり怖がったりとか……。表情だけ、沈黙だけで表現されてもいいところ、「いやだ」とか「〇〇とか思われるんだ!」なんて、やたらモノローグや台詞になる。
逆に好印象を持ったときもそう。機嫌が少し上向きになったり、積極性が増したり、そういう表現の仕方だってツイステにはあるのに、イデアは「ちょっと共感」とか、セリフで言っちゃう。
婿イデもそうだった。人に感動するところから、馬鹿にしてしまうところ、自己嫌悪するところまで、その葛藤・心情がテキストに落とされまくった。
でも、だからといって彼の全てがテキスト開示されている訳ではなくて。
『この自己言及が、本当に事実と一致しているか?』
という部分に、隠されたイデア・シュラウド像が籠っている。
内心を多く語らず、表情や態度で表現するパターンと本質は変わらない。
イデアというのは、内心を多く語りまくることで、「事実」であるはずの行動や性質が覆い隠されてしまっている人物なんだ。
どうりで。
どうりで彼、色んな人のパソストに出演するわけですよ。
だって、イデア・シュラウドのことは、イデア・シュラウドの主観だけで語っていくと、無尽蔵に事実とズレていくんだから。
そりゃ、誰かのエピソードを軸にしたシナリオで、「誰かの目線を通したイデア・シュラウド」を描くしかないわよ。
パソスト芸人と呼ばれるのも、必然だったということです……。
「思い込み強い人怖い〜」と宣う、思い込みの強い男……
なるほどね……。
『彼はこう言ってますけどね、彼の行動を見てくださいよ、事実を見てくださいよ。全然違うでしょ?』、みたいなことなんだろうな、、、たぶん。
そして、「イデア以外の視点」がとても重要とわかれば、
彼と関わることの多いオルト、アズールとの関わりが、「イデア・シュラウド」を解する上で殊のほか重要なのかもしれない、と。
そんなことを……思いましたね……。
うん……なんかね……
彼って後輩と関わると「人見知りで子供じみてはいるけど、ちゃんと先輩」に見えるな〜と思ってたんですよ。年上なりの寛容というか……面倒みてくれてるというか。
この印象、贔屓目が含まれてると思ってたけど、さほど勘違いではなかったのかもしれないな。まあ同時に多少の悪印象も与えてるんだけど、そればっかりじゃないっていうのは心に刻みたい。
イデア自身が自覚できない分、此方がもっと「誰かから見たイデア」というものについて、向き合った方がいいかもしれない。
くぁ〜〜💪💦 ヤレヤレ……💦
衣装の話もしたかったけど、それはまた今度にします……✋💦